承福禅寺
福岡県宗像市上八1373
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烟霞不遮梅香

烟霞不遮梅香    
烟霞 (えんか) 梅香を遮 (さえぎ) らず

梅花は既に散り終わりこれからは桃の花さかりであるが、霞たなびく季節は今。花粉、黄砂襲来に起因する霞みは願い下げ願いたいが、今からがその現象をあらわにする季節でもある。烟霞とは煙やもやのことで、ぼんやりと霞んでしまうこの季節、野道を歩くと何処からともなく梅の香りがとどく。よく見ると小川の向こうの梅林の花が遅れながら開き、そよ風に乗せられて匂いを運んできたようだ。

梅の花は霞もやに遮られてよくは見えないが、ほのかな甘い匂いはその霞にも遮られることなく香ってくる。
「烟霞梅香を遮らず」の語意は以上の情景を表わしたものであるが、禅語としてこれを解釈すれば、烟霞は様々な障害、妨げであったり、煩悩妄想にたとえれば、真に悟れば仏性輝き、煩悩妄想の霧は払われるとも解されるし、また、人徳は何ものにも妨げられることなく顕われ出るものである。先般当寺の伝道掲示板に「花の香は風に逆らって流れず、人の徳香は風に逆らって流れる」と書いて張り出していたが、仏法を修するもの、禅の道を行くもの自ずから人徳輝きだし、遮る煩悩妄想もなく、邪欲妬みの障害も逆に護法のかてに変えていくことだろう。

承福寺和尚は大変な不精者でめったに作務をしないから、境内はもちろん門前も雑草が茂りだす。見かねた近所の年配過ぎたご婦人が時々、手クワを持ってきて黙って草取りをしてまた、そっと帰られる。私はお礼を言ったたこともなければ、その方もお礼やねぎらいの言葉を求めようともされない。

ここに「隠徳の行」があり、既に曲がりかけた背中の後ろに後光が指すように思えて、そっと手を合わせて拝みたくなったは、私の欲めく目なのだろうか。彼女は既にお受戒を受けた信心家である。そのときの戒名を寺でも控えているが、その上に「梅香院」の院号でもつけてやろうなどと勝手な妄想をかいている。

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